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建築家トップ > コラム > 第1回 シックハウス > 原因不明という名の病気

第1回 シックハウスについて
・・・原因不明という名の病気・・・
鈴木佳寿美 サンク(株)

シックハウス症候群という病名を定義すると、住宅に入居することによって起こる疾患となります。
症候群という病名は、起因するものが明確でない場合、シンドローム(症候群)と名づけられます。
元々、この病名のルーツとなった最初の疾患は1973年のアメリカで、在郷軍人会のメンバー35名が死亡したことから始まります。原因は空調ダクトのレジオネラ菌によるものでした。在郷軍人病と名づけられたこの病気に、日本の住宅に入居することが起因する病気として大阪の歯科医師、上原祐之氏が命名したものが今では市民権を得、世界語としても認知されました。しかし誤解も多い疾患で、対応はまちまちです。
上段で述べたように、シックハウス症候群は化学物質だけが原因でなく、生物学的要因もあるということについては、まだ、認知が浅いのです。
ハウスダストはもちろん化学物質も含まれるのですが、ダニの死骸やフン、ダニのエサとなる髪の毛やフケといったものも遠因と言えます。また、結露によるカビの発生は胞子の飛散によってアトピーやアレルギーの原因になります。

これらの病原は家の作り方によるものと、家の維持管理に頼るものがあり、どちらが欠けても住宅の健康を損ないます。住宅の快適性のひとつには、外気温を防御することがあり、消費者の強い要望でもありました。
供給側は長年その要望を満たすべく努力を重ねてきました。
その結果、高断熱高気密の住宅が建設の義務として法制化もされたのです。
しかし、人間にとって快適な住環境は、他の生物にとっても快適だということです。
化学物質だけを排除する方向の住宅建設と住宅維持は、生物学的要因の解決にはなりません。高断熱高気密の住宅では結露が起きにくいので、カビの発生は織り込まなくてもよくなってはいます。
しかし、大掃除などという死語になった言葉が示すように、日本人の習慣も大幅に変革しています。
メンテナンスフリーというキーワードが住宅品質を示す言葉の一つになっているように、間断ない住宅の維持は、現在の日本人の美徳として継承されていません。

化学物質の排除は我々玄人が責任を持って受け持ちましょう。
住宅の健康維持は、そこに住む人の努力によるものだとしっかり認識してください。
健康な体の維持は、安全な食事を摂ることだけで出来ません。
適切な運動、適切な労働、そして心の平安によってバランスが保たれます。
住宅も、安全な材料だけが健康を保障するものではないと深く認識してください。

蛇足です。
自然素材のウルシやスギ花粉はアレルギーの原因物質です。
ソバは死者を出すアレルギーの原因物質でもあります。
アレルギーは個別なものであり、対応は個別に行うべきものです。
自然素材イコール安全、の図式は一元的と考えてこの疾患には取り組まないと大きな間違いを犯します。

   
  サンク(株) http://www.kenchikusekkei.jp
 
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