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建築家トップ > バルセロナ便り > 第298回

実測で見えたガウディデザイン バルセロナの陽光に魅せられて 最もガウディに近づいた建築家、田中裕也が綴る

作品作りで共有する時間と歓び

3月27日東京都品川区にある天王洲の寺田倉庫で「ガウディをはかる」展示会がオープンした。大勢のビジターの中で、私が実測して描いてきた作図の日本で初めての本格的な原図展示である。それに合わせて幾つかの模型と原寸大の階段そしてピトーンの模型と階段が引き立っている。
このように今までの40年間の研究まとめをすることは、一生で初めてのことになる。それに答えてくれた寺田倉庫に深く感謝している。それにも増して関係者達も懸命にこの企画をサポートしていただいていることが今回の展示会のキーワードになっている。

私のトークは、作図の説明やガウディの歴史的説明というより作業の経緯とエピソードにビジターも興味があるようでもあった。それで40年間を回想するというのはすごく面白いが、とても信じられない事でもある。
日本にいた頃の自分とスペインでの研究生活で築き上げてきた自分が明確に対峙している。にもかかわらず一人の自分がこのような二人の自分を築き上げた気がしてならない。日本にいた頃の自分は怠け者、カオスの自分、そしてもう一人の自分はスペインに渡って七転八倒の中で継続してきた40年の研究成果と自分の変容である。それらを見ているもう一人の自分、つまり第三の自分が見えてきている。この第三番目の自分は翻訳に専念して20年近くになっている。実測、作図の過程を超えて次に翻訳に専念し、原書を訳しながら自分と向き合って他人の書物の意味を考え、紐解く自分が無意識のうちに築かれているのである。中でも自分が日本いた頃、実測、作図、翻訳は全て不可能と決めつけていた時の自分と比較しているのである。
少なくとも自分も人間の端くれなのでそんな経緯の自分を見ていて奇想天外な人生を過ごしてきたことに気がつく。誰かから依頼されての作業ではない。しかも時間は確実にかかりその生活は今更説明することでもない。だから研究への支援もありえない。それでも一つのことに信念を抱いて好奇心の赴くままに誠実にその行動を進めてきたおかげで、自分としては、全く信じられない不思議な世界に到達している気がしてならない。
もちろんしっかりと自分の足は地についている。気持ちもいつもと変わらずポジティブな気持ちを維持しながら、スペインでの40年間を回顧している。その中から出てくる言葉はとても優しい言葉となって私のトークが始まる。
特に人との関わりや思いやりなど今までの難所で人間関係による協力やアドバイス、そして経済的援助によって生き延びることができた。そのような自分の人生は確かに人々の慈悲が反映していることに気がつく。つまり人々は一人ではこの社会や世の中で起きることはできず、助け合って社会が成り立つということを実感させられている。そんな思いがトークの中で頭をかすめる時、むせている自分を感じてしまう。そのような場面をビジターは共有し、共に感動していることを友人から知らされた。
自分の感情が表に出てしまうことは日本人としてとても恥ずかしいことではないのかと思っていたのだが、今朝、友人からそれについてのコメントがあって「それがいいのです」。と言われてホッとしている。

技術的な話は好奇心を駆り立てる。しかし素晴らしい作品を作るときには、協力者たちと作る歓びを分かち合うことでまさに感性の世界を共有できるのが総合芸術となるのだと、今回の展示会で感じさせられている。

このようにしてガウディは43年間協力者たちと、作品作りにその歓びを共有しあっていたのだという思いを体験させてもらっているのがこの展示会である。
     
田中裕也氏プロフィール
 
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