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建築家トップ > バルセロナ便り > 第328回

実測で見えたガウディデザイン バルセロナの陽光に魅せられて 最もガウディに近づいた建築家、田中裕也が綴る


創作の経験と感性の関係

ガウディはベルゴスとの会話で創作ついて
ものをつくるには、創作の法則に従うことであり、そのためには創作の経験が不可欠である
ということ言い残している。

私はこの言葉を知ってから、それが真理であることを確信している。
私のこれまでのガウディ建築の実測・作図を通し、その法則に従って理由を探求し、これがガウディの方程式であるとしている。
ものをデザインするときには全てにおいてそれなりの法則があり、それを見つけ出す作業をしなくてはならないのは確かである。
学生時代に宮大工西岡常一さんによるゼミが法隆寺で実施され、参加した。 その話の中で、素材の中で特に木材の場合は「適材適所ということでも理解できるのだが、素材にはそれぞれに相応しい使い方を知る必要がある」というのだ。初めはどんな意味なのかわからなかったが、彼の説明で次第に腑に落ちるようになった。「木材の場合、それぞれの樹木の成長は方位によっても異なる。従ってその方位に従った木を探すことから始まる」ということである。
これを例えば人々の仕事や作業に置き換える。すると人の個性によって適切な作業があることを知ることができるということになる。人間も感性があるためにその波長を理解する必要があるということになる。
そうすることでより優れたものができるということである。そのようにガウディが協力者たちと作業を進めるときは、話し合いを大切にしていたのはそれぞれに感性がありそれを互いに理解することになると見ている。その感性を引き出す作業をワークショップの中で続けていたということに気がつく。
次に自分でワークショップするときに何をすべきか考える。当然できることとそうでないものもある。そこを理解しながら自分を成長させたいと思うとき何ができるかを考える。
さらにそれまで苦手であった分野をどうすれば理解できるのかという作業がある。その方向は通常は避けられる。ところがそれが実は意外に、そんなギャップの中でもここまでなら自分にもできる可能性を見いだせることに気がつく。
そのようにして現在の自分を見出している。
作図やデッサンは学生時代から苦手であり好きではなかったのだ。物理や数学でもその奥は深いものであり学生時代には触れることがなかった世界である。ところが現在では、それらを容易に好奇心で覗くことができるようになった。一つずつ自分に理解しやすいように噛み砕いてみると、難しいと思えていたことが意外に理解出来るようになることを知った。

人工知能AIというのは、人間の知識の10000倍の記憶の性能があるというではないか。多くの人たちは将来はこの人工知能に支配されるという予想を立てている人もいるようだが。果たしてどうだろうか。

世の中の動きというのはその記憶だけでは処理できない問題もある。つまり曖昧性や感受性である。これだけは人間を始めとする生物の持つ感性でありAIのような蓄積と応用だけでは無理な世界である。つまり感性だけはデーターの蓄積による想定とはかけ離れた経験による瞬間的発想に基づく行動であるとしたらどうだろう。感性は蓄積によるデーターからの推測とは関連性がないと見ている。
     
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