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建築家トップ > バルセロナ便り > 第338回

実測で見えたガウディデザイン バルセロナの陽光に魅せられて 最もガウディに近づいた建築家、田中裕也が綴る


バルセロナ建築賞第1号の作品とは?

建築には窓という採光と通気を兼用する開口部が必要である。それがないと単なる箱となる。建築というのは、用途に合わせてその空間設定をする。例えば、生物の生態に合わせてその空間構成があるように、人々の生活にもそれぞれにあった居住性を重視しての空間計画をする。
ところが人間社会のための居住性となるとさらに複雑な要素が組み込まれる。それは安全性と耐久性である。さらに適応性というとさらに付加価値と独自性も必要となる。
何れにしても人々が生活する空間には空気、水、換気、そして自然光が必要となる。これらをどれだけ人工的な空間に、より自然に取り入れることができるのかというテーマがそれぞれの建築の課題となる。
ガウディが考えた都市での居住空間を取り上げると、そこにはガウディの知恵と創作力が輝いていることが見られる。
例えばガウディ成熟期初期の作品とされるカサ・カルベという作品は、初めて私が現場に立ち寄った時、本当にこれがガウディの作品なのかと思うほどにオーソドックスに見えた。
ところが実測・作図をした1983年にその簡素さの中で気になったのが、この作品がバルセロナ建築賞を受けた第1号の作品であったことだ。しかもその理由は、当時としては珍しい換気設備が考慮された作品であるという。そばに通っていたマージャ小川の冷たい水を利用した人口滝が裏に設置され、現在でもその当時の人口滝が残っている。つまり環境を利用しての建築演出となっている。さらに建物内部階段室には自然の明り取りのパティオが取り付けられている。そして内部の詳細な装飾的部分には人工石が利用されているという技術面も当時としては改革的な作品として見られていた。しかも贅沢な素材を利用してのことではない。むしろ現在ではサスナビリティーという条件を備えた建築作品として評価が高かった。さらにファサードでは芸術的演出はとても控えめであったと思えるが、ここでガウディが示しているアイデンティティーと歴史性をベースにした演出になっていることも特記されるべきである。

何れにしてもカサ・カルベの入り口から見られるブロンズの南京虫を十字架のハンマーで背中を叩くという仕組み、そしてトリビューンの豊潤の角、と2匹のキジバト、糸杉とオリーブの実がついた枝などはCというイニシャルのレリーフを飾っている。他にファサードの控え柱はまるで機織機に利用されるボビンのような形で処理されている。
これらは日常生活で見られる詳細を愛らしく演出していることも理解できる。
さらに昔の日本にもあった風習の一つである家の守り神のような存在としてシンボルを納める手段をガウディの場合、ファサードの破風には、13世紀に殉死したドミンコ会のPedro Gonzales 聖人が中央に置かれ、左は4世紀の殉教者Gines聖人、右はGines de Arles聖人とこの二人のPedro Calvetの出身地San Gines de Vilassar の守護聖人たちを納めている。

これらはオーナーのアイデンティティーを象徴としていることをバセゴダ教授が語っていた。そのように詳細のルーツを知ることで単なる装飾ではないことを強調しているということになる。
     
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