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建築家トップ > バルセロナ便り > 第303回

実測で見えたガウディデザイン バルセロナの陽光に魅せられて 最もガウディに近づいた建築家、田中裕也が綴る

形が先か、構造・素材が先か

ここで地球上での構造概念を再考してみる。
細胞の中でも構造が考えられるとすると、その組織自体がテンサグリティによる構造概念に従っていることが伺えた。他にはどうだろうか。微生物の世界ではフィト­・プランクトンの構造というのが、その骨格も構造体と言えるだろう。その生物の連鎖なども構造体理念と幾何学に沿っていると言える。

植物も各種の繊維状の構造体になっていることは知られているが、種子による生殖細胞としてはりシダ植物やコケ植物藻類菌類となり、種子は種皮と胚乳、胚軸、子葉といった多様な器官に分かれる多細胞によって構成され植物となる。それらの構造体は、胞子の場合厚い膜によって保護され、温度変化や乾燥に対して一定の耐久性があるとされている。
一方種子の外側は、雌しべの子房壁に由来する果皮や、莢、種皮といった堅い殻のような構造によって覆われ、その内にある胚乳において、発芽後に一定期間、単独で成長していくことができる栄養分なども十分に蓄えられているとされている。このように両者の構造体における環境が異なっている。
つまり動物達の巣、洞窟、人工的な構造体に至るまで各種構造があるということである。

他に、飛行、水中、空中、地上、体内、地中等生態環境においてもその構造体が異なる。

自然形態とはなんだろうか。地上では、重力に従った形、気象条件による風、水、気温など自然条件に伴う生態の変化をも示唆することになる。
よく言われる水中や空中での形というものに「流線型」というのがある。
これは水や空気抵抗を考慮した形である。
地上では、他に振動があるので耐震型というのもある。
自然現象に基づく構造では、ガウディがカテナリー現象(フニクラー)に気づいてその実験をした。それがポリ・フニクラー(多重フニクラーまたはカテナリー)の実験である。
これは重力を利用した自然現象に従った曲線を利用しての構造実験である。それを私は「逆さ吊り構造実験」と以前に命名している。さらにそれらの構造概念を煉瓦造で作るというものである。
ガウディの一連の作品で、成熟期以降の構造体では力のかかり具合で、さらにフラットバーを捻って補強しているところもある。それがグエル公園のパビリオンや高架であったり、サグラダ・ファミリア教会の断面が非常に小さな尖塔の部分であったり。尖塔の補強にも鋼材が見られることは、教会の現場監督から聞かされたことがある。

ここで構造スタイルの探求というのは、どんな意味があるのだろうか。
つまりより理想的な構造体とはという意味である。

空間を構成するための手法で用途に応じて素材が選択されるという基本概念から、芸術性のあるモニュメンタルな空間もあったりする。
ところが地域社会で造る場合は、その地域の諸条件に適応させた作り方というのもあるが普遍性に欠ける。
そこで社会規制を外しての構造体とするとどうなるのか。

例えば自然形態などはもちろん社会規制には適応できないということは理解できる。また芸術的なモニュメントという概念での構築物も建築基準とか消防法といった規制に適応外となるのが通常である。
     
田中裕也氏プロフィール
 
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